五条悟の強さの秘密

こんにちは、Astep学習塾講師の浦田聖太と申します。

今回が初めてのブログ投稿になります。僕は少しでも勉強に興味を持ってもらえるような小噺を書き綴っていこうかなと思っています。

今回、話していくのは「五条悟」についてです。この人物は、漫画「呪術廻戦」に登場する最強の呪術師です。よく知らないよ、という人はぜひ呪術廻戦を読んでみてください。なかなかおもしろいですよ。

さて、この五条悟という男の能力はどのようなものなのかというと、「無下限術式」という相手と自分の間に無限を作り出し、あらゆる攻撃を自身に届かなくさせるというものです。簡単に言うとこの世のすべての攻撃は彼には届かないということ。強いですね~。最強といわれるだけあります。作中ではこの無下限術式はあまり詳しく説明されません。五条悟本人からも、正確には当たらないのではなく遅くなっている、というざっくりとした説明しかありません。そのため、なぜ攻撃が届かないのかを把握している人は少ないのではないでしょうか。今回はその原理についてなるべくわかりやすく説明していきます。

そもそも、この話を完全に理解するためには高校生で習う無限級数という概念を把握する必要があるのですが、これがとても難しい。しかし、ざっくりとした理解には小学生までの知識で十分です。

アキレスと亀というパラドックスをご存じでしょうか。古代ギリシャの哲学者ゼノンが考案したもので、以下のようなものです。

秒速10mで走るアキレスの90m先に、秒速1mの亀がいます。同時に走り出して、9秒経つとアキレスは亀のいた90m先の地点にたどり着きますが、亀はそこから9m進んでいます。またそこから0.9秒後、アキレスはさっきまで亀のいた9m先の地点に到着しますが、亀はその0.9m先の地点に進んでしまっています。ではそこからさらに0.09秒後。またもアキレスは先ほどまで亀がいた0.9m先の地点にたどり着きますが、亀はその0.09m先の地点まで動いてしまっています。こうやってアキレスが亀の進んだ位置に到着するころには亀はその先に進んでいる。よってアキレスは亀を追い抜くことはできない。

というものです。皆さんはこの論理の欠陥に気づくことはできましたか?このお話、最初の前提条件から考えると10秒経った時点でアキレスは亀に追いつき、その次の瞬間から抜き去ることができます。ではなぜ、先ほどの解説だと追いつけないのでしょうか。

それは、9秒と10秒の間を無限に区切っているからです。あの説明だと、9秒後の次は9.9秒後、その次は9.99秒後、さらにその次は9.999秒後といった具合に、10秒に限りなく近づくけど絶対に10秒後はやってきません。これでは追いつけませんよね。あのパラドックスの欠陥は、1秒間を無限に細かくすることはできるけど、時間は有限で絶対に10秒後はやってくるということ。

五条悟の無下限術式はまさにこれを利用しているのです。相手の攻撃と自分との間を無限に細かくし、先ほどのアキレスと亀のように無限回の施行を強制させる。攻撃と五条悟との距離が短くなればなるほど、一回の施行で進める距離は短くなるため、必然的に遅く見える。五条悟の「当たらない、ではなく遅くなる」という説明にはこういった理由があるのでした。

いかがだったでしょうか、無下限術式について少しは分かったのではないでしょうか。もっと詳しく知りたいよ!と思ったあなた、大学生になり、理工学部に進むともっと深く学べますよ。

それでは今回はこのあたりで。最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回は今回出てきたアキレスという人物について話していこうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です